患者に伝わる言葉選び
2025/09/16

医師にとっては当たり前の医学用語も、患者にとっては難しく理解できないことが少なくありません。
難しい言葉が並ぶと「よく分からない」「自分には関係ない」と感じ、時には不安を強めてしまうこともあります。
ホームページは患者さんが一人でじっくり読む媒体ですから、説明が分かりにくいと、そのまま離脱につながる可能性があります。
今回は、患者に伝わる言葉選びについて紹介します。
「専門性」と「分かりやすさ」の両立が大切
患者に安心感を与えるには「信頼できる専門性」と「理解しやすい説明」の両立が不可欠です。
難しい言葉を単に省くのではなく、正確性を保ちつつ、誰にでも理解できる言葉に置き換える工夫が求められます。
専門用語をかみくだく具体的な方法
●言い換える
例)「咽頭炎」→「のどの炎症」
「高血圧症」→「血圧が高い状態」
●比喩を使う
例)「動脈硬化」→「血管が古いゴムのホースのように硬くなる」
●Q&A形式で説明する
「この病気はうつりますか?」「薬はどれくらい続けますか?」など、患者が実際に気になる視点で回答する。
●二段階説明
専門用語を一度使ったあとに「つまり〜ということです」と、平易な言葉で補足する。
ホームページだからこそできる工夫
●図やイラストの活用
文字だけで伝えにくい部分は図解にすることで理解度が上がります。
●見出しを工夫
「喘息の治療について」ではなく「喘息はどう治療するの?」と患者目線に変えるだけで印象が柔らかくなる。
●読み飛ばしやすいレイアウト
文章を短く区切り、重要な部分は箇条書きにして視認性を高める。
経営的なメリット
わかりやすい説明は、患者さんに「ここなら安心して通える」という印象を与えます。結果として、
- 新患獲得につながる
- 不安や誤解が減り、診察室での説明がスムーズになる
- 「親身に説明してくれる先生」という口コミや紹介につながる
など、集患・経営面で大きな効果があります。
まとめ
クリニックのホームページは専門性をアピールする場であると同時に、患者さんの不安を和らげる情報源でもあります。
難しい言葉をそのまま並べるのではなく、「患者の目線でかみくだく」ことが信頼構築の第一歩。
専門用語をやさしく説明できるかどうかが、患者さんに選ばれるクリニックかどうかを左右します。